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お知らせ

2014年4月の一覧

2014/04/17【実行委員会から】
実行委員会からのメッセージ

TJAR2014参加希望者へ

大変お待たせしました。TJAR2014の要項を発表いたします。12年前にわずか4名の参加者でスタートしたTJARですが、前回大会の模様がNHK等の各メディアで取り上げられ、これまでとは違い多くの人達から注目を浴びる大会となってきました。私達実行委員会としてもあれから1年半の間、この大会のあるべき姿とはどういう形なのだろうか?様々な立場の人達から意見を聞き自分達がやりたい形、対外的に求められる形の間で議論してきました。TJARという取り組みについては、幸いにもメディアがいい影響となり、多くの賛同を頂きました。しかし多くの人が関わってくる中で、当然の事ながら慎重論も出てきています。最も懸念される項目は、規模と安全対策です。規模については、当初から、どんなに体制を整えたとしても何百人も走らせる訳にはいかないと考えていました。では実現可能な最大規模とは? このラインを探ってきました。そして安全対策。選手は事前審査を経て出場しているわけですが、それでも過去にいくつか危険な事例が見られました。自助努力のみに頼った体制の改善。この二つのポイントを軸に今回の要項を作成しました。

 

それぞれ思う所はあるかと思いますが、ここに至るまでの経過を詳しくお伝えします。(長文失礼します)

 

2012年、センセーショナルにTV放映された事によって変に価値が上がったと言いますか、期待が高まっているのを強く感じます。

次はどうなるの?

やはり私達してもそんな期待に応えたい。そう思います。しかし、いくら期待されているからといっても、大幅な増員は様々な問題が生じます。夏山シーズンの中でも最も混雑する時期ですし、登山者に人気のあるコースも含みます。私達が目指す規模と、このシーズンにこのコースで許容される規模の折り合いはどこなのか? 対外的な面(対登山者、山小屋、キャンプ場、環境面、安全面)と運営的受け皿の両面から、持続可能な規模を慎重に模索してきました。現在、全国で数多くの山を舞台としたレースが開催されていますが、様々な問題も見られるようです。TJARも注目されているだけに、このレースが悪い前例となってはいけないとも思います。

こういった事情を加味しつつ、様々な関係機関との話し合いの中から導き出したのが、今回の規模です。微増(ほぼ現状維持)と言ったところでしょうか?もう少し参加人数が増えるかと期待していた方も多いと思いますが、これは考えに考え抜いた結果です。ご了承下さい。

 

そして安全面についてです。TJARは、トラブルも含めて自己対応できる事、これが参加の必須条件です。

これを前提で挑んでいる訳ですが、本当の意味で山岳地帯において一つの打撲、一つの捻挫がどれだけ行動に影響するのかを的確にイメージして、それに備えられている人はどれだけいるのでしょうか? ましてや滑落したら?TJARは、基本単独行です。実際のところ、過去のTJARにおいて、様々なトラブルや事故がありました。大きな問題にはなっていませんが、大事故とは本当に紙一重のこともありました。これまでは、選手の適応能力に助けられていますが、一歩間違えば・・・
山を走る人(トレイルランナー)は軽快さが身上。「荷物は小さく軽く」の意識が顕著です。確かに軽ければ、スピードは上がります。より速くより遠くを目指すならば、ここに力が入るでしょう。しかし、軽くした結果持たなくなったものがあるはずです。そしてそれは、自らトラブルへの対応度を下げる事につながります。これが経験、知識、十分な体力の裏付けがあっての判断であればいいのですが、そうでない場合、非常にリスクが高くなります。ここで言うリスクとは「死」をも含みます。取り組み方を間違うと死ぬ。これは幾度となく選手に言っている事です。おどしではありません。本当に山は危険です。例えば近所でテニスするのに覚悟は必要ないし、ましてや死ぬかも?なんて考えないと思います。しかし、山は覚悟が必要ですし、死なないための備えが必要なのです。

一つの例を紹介しましょう。

昨年、TJAR参加希望者に対してトレーニングキャンプを行いました。このレースの一端を知ってもらうためです。参加者同士の交流も生まれ、いい機会だったと思います。私達も皆さんの心意気を感じる事ができました。しかし、このキャンプに参加されていた方が、昨夏アルプスで滑落によりお亡くなりになりました。内容からして、TJARを意識してのトレーニングであったと思われます。私は山行前に「行ってきます」の連絡をもらっていて、次の連絡が息子さんからの山で亡くなったとの知らせでした。非常にショックでした。私はそのキャンプの時に一回しかお会いしていませんが、時を同じくして山を駆けた仲間です。事前に経歴を見させてもらっていましたが、素晴らしい実力を持った方でした。十分な山岳経験もあり、トレランレースでも大きな大会で入賞するような方でした。行程からしても、決して無謀な行動をしたとは思えませんでした。

一体何が起きたのか?当然本人から状況は聞けませんし、目撃者もいません。どうやっても避ける事の出来なかった落石なのか?単純なミスなのか?しかし事故が起き、ひとりのベテラン山岳アスリートがお亡くなりになったことは、紛れもない事実なのです。

 山はいくら備えていても、いくらベテランといえども、事故の可能性は払拭できません。それが山というものです。年間を通して山岳事故は報道されていますが、他のスポーツでは考えられないくらい、事故の件数や事故に遭遇する確率は高いのです。そもそも、登山という行為は、最初からある物理的要因(標高、気象、小屋・道路まで遠い)によるリスクを抱えています。何もしなくても、そこにいる事がすでに安全ではないという状況です。それに加えてTJARとは、不安定な登山道を走る、限界に近い行動時間、安全域を冒した装備軽減など、人為的要因で極めて危険なチャレンジになっています。TJARに挑戦しようと思う人ならば当然理解している事とは思いますが、改めてリスクというものについて、思いを巡らせてください。

 これまでは、これらのリスクに対応する術を全て選手に担わせていましたが、今回からは実行委員会よりいくつかの安全対策を施します。クライミングヘルメットの携帯義務化、要所への救護班(医師、看護師)の配置、一部選手の救護スタッフ化、救命講習の義務化、そして親族からの同意(電話確認)などです。

ヘルメット 

走る人がヘルメット?と違和感を覚える方も多いと思いますが、TJARのコースには、落石・滑落・転倒の可能性が高い場所が多く含まれています。そのリスクは走る・歩くに関わらず、同じ条件でそこにあります。現在長野県では「山岳ヘルメット着用推奨山域」を設けて、一般登山者へのヘルメット着用を勧めています。山岳におけるヘルメット着用が、クライマーだけではなく一般へ向けて変わってきています。その流れを汲んでの措置です。剱岳や宝剣岳は、本来ロープを出すべきコースです。ここに鎖や梯子を設置して、一般でも歩けるようにしたのが今の登山道ですが、それによって滑落や落石のリスクがなくなった訳ではありません。スポーツバイク乗車時のヘルメットはすでに定着していますし、スキー、スノーボードでも普通になってきました。やがては、山でのヘルメットが珍しい事ではなくなっていくと思います。
救護班の配置 

TJARはすべて自己対応、これが大原則です。怪我した場合は、自分のファーストエイドキットで対応します。しかし、現実として自己対応できない事例も起こりえます。わずかですが、そういったことに備えて北アルプスで二ヵ所、中央アルプス一ヵ所、南アルプス域で二ヵ所(予定)救護班を配置します。自分の手に負えなくなったら、躊躇なく助けを求めて下さい。ただし、わずかでも処置を受けた場合、そこで自己対応不能として失格です。備えが足りなかった、能力以上の事をしてしまったと諦めて下さい。怪我や体調不良となっても、確実に下山することが何より大切です。

一部選手の救護スタッフ化

今回、3名の実行委員が救護スタッフ(選手マーシャル)として参加します。これまでもTJARは選手自身がスタッフ(とりまとめ)をやっていましたが、今回よりその立場をより明確にします。基本的には選手として移動し続けますが、必要に応じてレーススタッフの立場として登山者、山小屋への対応を行いますし、自己対応できなくなった選手の救護にもあたります。ポイントごとの配置でも良いのですが、範囲があまりに長大なため、より効果的な方法として今回採用します。

救命講習の義務化

これまでも、大きな意味でこういった能力は求めていましたが、今回からはっきりとした形で参加要件とします。

実際のフィールドでの対応を考えると、消防署や日赤の講習では心元無いですが、最低限のレベルと考えてください。今回は見送りますが、次回TJAR2016ではWMA (http://www.wildmed.jp/)の資格認定を義務付けることを検討しています。

親族からの同意(電話確認)

これまでも親族からの誓約書を頂いていましたが、一般的にはできるだけネガティブな話をせずにサインだけもらう事例が多い様に思います。しかしTJARは、一般的スポーツイベントと違って極めて危険度の高いものです。場合によっては、大勢の救助隊を要請し、数百万円の救助費用が必要となる場合もありますし、遭難の上死亡ということすらあり得ます。心情的には心配しないようにそういった話はしないかもしれませんが、ご家族にはそういった可能性も織り込み済みで送り出してもらわなければなりません。先に挙げた(アルプスで亡くなった)方の奥様は

「そんな危ない所に行っているとは思わなかった」

「ただ(山に)遊びに行っているだけと思っていたのに」

「まさか死んで帰ってくるなんて・・・」

との事です。この様な事態にならないように、私達実行委員からの電話により、その説明と確認を取らさせていただきます。*選考会申し込み時は自身で説明してサインをもらって下さい。本大会申し込み時はスタッフから説明の電話後にサインを頂きます。

 

いかがでしょうか?
非常に煩雑な手順を踏んだ申し込み方法になりますが、前回に比べて増えた項目のほとんどは、これまでに示してきたものを明文化(可視化)させたにすぎません。以前よりこのレースを目指してきた人達にとってやるべきことは、何ら変わっていないと考えています。規模はほぼ現状維持で、安全面を強化。これがTJAR2014の方針です。イベントを育てる(成長させる)とは、規模の拡大という方向だけではなく、こういった道もあると考えます。

TJARというロマンあふれる壮大なチャレンジ。乗り越えるべき壁は高く、そこには多くの困難が待ち構えていますが、選手の進む先にはこの上ない達成感と充実感が待っています。

 

すべての選手は未体験ゾーンへ

 

2014年8月 大浜海岸でお会いしましょう。

 

TJAR実行委員会代表 飯島浩

 

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